冬越しの準備 寒冷紗(かんれいしゃ)とマルチングを施す

植物まわり
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11月下旬にもなると朝晩はすっかりと冷え込むようになりますが、ここ水戸市の外れにあるやまね農園では、11月の上旬頃から霜が降り始めています。

2020年の11月は多くの木を植えつけ、同時に株元のマルチングは施していたので、本格的な冬越しの準備は先送りになってしまっていました。そして12月になってようやく寒冷紗をかけることにしました。

霜が降りる前にその対策を講じた方が良いのだとは思いますが、先送りにしてしまいました。

今回はそんな寒さ対策、冬越しについての解説になります。

なお当地では雪が降ることはほとんどないため、雪を想定した対策にはなっていませんのでご注意ください。

冬の寒さを乗り切れる植物とそうでない植物の違いにについてはこちらの記事をご覧ください。

冬の気候の違いについて考える(植物の耐寒性を考えるために)
植物には耐寒性だったり耐寒温度だったりと寒さに対する耐性の違いがあります。しかし、同じ植物の同じ品種であっても、販売店によって違う表記がされていることがあります。どれが正しくてどれが間違っているのか、今回は気候の違いがどのように植物に影響するのか考察しました。

マルチングについて

マルチングとは木、花、草などの植えたものの周りの地表面を、何かで覆うことを言います。その効果としては

  • 雑草が生えないようにする
  • 土壌の乾燥を防ぐ
  • 雨による土壌の流出を防ぐ
  • 病気や害虫の発生予防する
  • 霜柱や凍結を防ぐ

などがあげられますが、今回は「霜柱や凍結」対策でのマルイチングについて解説したいと思います。冬の気候は地域差が大きいのでお気をつけください。

冬のマルチングの効果

土壌の温度低下が原因で生じる根へのダメージを防ぐ

冬の最低気温は氷点下になるのが当たり前の当地では、霜柱によって土壌が隆起し盛り上がります。こうなると、凍結による土の動きによって根が傷つけられたり、霜柱が溶けた後に根が土壌の外に露出してしまい、根が乾燥で傷んだり、単純に凍って傷んでしまうということがあるようです。

植物の株元をマルチングすることによって、土壌温度の低下を妨げ、上記のようなことが生じるのを防ぐことができます。

乾燥を防ぐ

新潟などの日本海側とは違い、関東の冬は晴天の日が多く、空気は極度に乾燥します。

乾燥するならば水やりを欠かさないようにすれば、とも思いますが、湿った土は凍結や霜を誘発してしまうので危険です。

マルチングをすることによって土の乾燥を抑え、土壌に適度な水分を保たれるように働いてくれます。

素材について

マルチングに使われる素材は様々です。土を覆うことがマルチングなので、なんでも良いということでもあるのですが、ここではいくつか代表的なものを紹介したいと思います。土を圧し硬めてしまうような重いものでなければ良いと思います。

藁(わら)

昔からよく使われているものです。藁の特徴としては、それ自体が水分を含むことができるため、乾燥から守りやすいということです。また、微生物等に分解され、土に還り、土壌の改良にもなります。

腐葉土

こちらはマルチングだけでなく園芸全般における定番で、なんでもこなせる優等生な感じです。藁と同じように水分を含み適湿に保ってくれますし、藁と比べるとはじめから細かいので、そのまま放置してもすぐに土に馴染みます。

ポリエチレンなどのマルチシート

いわゆる合成素材でできたシートで、さまざまな色のものがあります。最も地温を上げやすいのは透明のものであって、黒いものではないということを覚えておくと良いかもしれません。黒は熱を吸収しやすいと同時に放出もしやすいので要注意です。

寒冷紗について

寒冷紗とは、その漢字から推測するに防寒対策のための布のことを指すのではないかと思っている方もいるかもしれませんが(私はそうでした)、実際の意味は「生地の目が粗く、薄い布」のことをいうようです。なので、園芸では防寒・冬越しだけでなく、様々な用途で利用されています。

  • 外気の冷えからの保護
  • 水分蒸発の防止
  • 強い日差しを和らげる
  • 害虫や動物から守る

冬の寒冷紗の効果

保温と霜除

布をかぶせるので気温の急激な低下から守ることができます。同時に霜が降りることも防いでくれます。

霜が降りる仕組みは、放射冷却によって地表付近の空気が冷やされて水分が氷になって地表に積もるというもの。地表付近の気温が0度以下になると発生するのですが、地表付近というのは天気予報で出される観測方法の最低気温より低くなることがほとんどなので注意が必要です。

水分蒸発防止

そして乾燥する関東の冬で気をつけなければいけないのが「風」です。乾燥した冬の風は表面から水分を奪っていき、また同時に植物自体の温度を下げていくので傷めることになります。これを防ぐために寒冷紗を巻きます。寒冷紗の設置方法

気をつけること

風に耐える構造にすること

寒冷紗を設置すると風の力を受けやすくなります。特に背の高い樹木の場合はより風圧を受けやすくなります。しっかりとした支柱を深く刺して立てて、風圧に負けないように設置しましょう。

通気性を確保する

寒さから守るといっても植物は呼吸しているので通気性を確保しましょう。特にビニールのような通気性のない素材を使用する場合は、適度に穴を開けたり隙間を作り、新鮮な空気を取り込めるようにしましょう。

やまね農園でやった方法(とても雑です)

今回初めてマルチングと寒冷紗という植物の冬支度をしたのですが、かなり雑にやっています。この先いくつもの冬を迎えるにあたって、寒冷紗やマルチングなどの冬越しの対策をしなくてもいい耐寒性を身につけて欲しいという願いもあるのですが、あまり材料を購入する費用をかけたくなかったというところが本音です。

使ったもの

  • 使用済で放置されていたグリーンの支柱
  • ダイソーで購入した白の多用途不織布シート(1.35m-5mと1.8m-4mの2種類ありましたが、1.8mのだけでよかったかも)
  • 腐葉土
  • 残って放置されていた藁(わら)
  • ガムテープ(紙ではなく布のやつ)
  • 重石になる石や瓦

という感じです。

冬支度した様子

コルディリネ(コルジリネ )

葉の色がおかしい

植え付けから1ヶ月も経っていないコルジリネ ですが、葉の色が変色してしまっています。赤味の色が抜けあせた緑色に。これはいったい原因はなんでしょう。調べてコルジリネ のページに追記しておきたいと思います。

ピラミッド形状ではありますが

こんな感じで、もともと腐葉土と藁でマルチングしてあったところに寒冷紗を設置しました。よく見るとわかるのですが、グリーンの支柱はただ斜めにさしているだけなのでトップの先端部分は特に固定されていません。地表近くだし問題ないだろうという判断であありますが、いかに。

アカシア・デアネイ

これも11月に植え付けたアカシア・デアネイ。購入したタグには「耐寒性に強い」と書かれていましたが、怖いのでマルチングだけでなく寒冷紗も。アカシアは冬に枯らしてしまった経験があるので、今回は慎重に。

アカシア・デアネイ

もともと支柱を立ててあったのでそこに固定

洗濯バサミで止めてある場所は、後にガムテープで止め直しました。

シマトネリコ

今回寒冷紗を被せた中では、このシマトネリコだけが風で崩れてしまわないか心配です。長めの支柱を二本立て、短めの支柱をふくらみができるように二本立てただけ。

根元の方が葉が緑色で綺麗

プリペット・レモンライム

するつもりはなかったのですが、葉の色が変色してきたので急遽寒冷紗を。のちに調べたら、霜にはあたらないようにするとのこと。

レモン・バーム

ハーブもたくさん植えつつあるのですが、その一つレモンバーム。レモンバームはちゅおど良い支柱があったのでこれを使って綺麗に寒冷紗をかぶせることができました。

腐葉土は植え付けたときに。