生態系被害防止外来種リストとトウネズミモチの成長の様子

樹木類
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2020年の9月終わり頃に根元でバッサリと切って、2ヶ月ぐらい経ったトウネズミモチ。幹の太さは、一番太いところで直径18cmくらいです。ひこばえは切る前からありゼロから成長したわけではないのですが、成長スピードが早いです。

勝手に生えてきて、切れども切れども大きく育ってしまう木が、庭には3つあります。そのうちの一つがトウネズミモチ。ネットで情報を検索しまくって、ようやくトウネズミモチだろうと判断できるようになりました。間違っていないと思いますが、もしも間違いだとわかったら速やかに訂正します。

トウネズミモチとはどんな木か

  • 中国原産の常緑高木
  • 樹高は25mほどになる
  • 丈夫ですぐに大きくなるので、かつては街路樹や公園で多く植樹されていた
  • その成育力が強すぎて在来種に悪影響を及ぼすということで生態系被害防止外来種リスト(要注意外来生物と呼ばれていたもの)に掲載されている

調べてみると、生態系被害防止外来種リスト というものに掲載されているということがわかりました。ちょっと気になったので、後ほどしっかりと調べた情報を載せたいと思います。

ということで、トウネズミモチについては、よほどひどい土地でない限りは抜かない限りすぐに大きくなる樹木、だと考えて良さそうです。

生態系被害防止外来種リストとは

生態系被害防止外来種リストとは、正式名称を「我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト」のことで、海外や日本国内での生態系への被害状況を踏まえて、日本での侵略性について評価しリストにしたもの、のことだそうです。

よく知られているものの中に「バラックバス」という名称で知られている「正式名:オオクチバス」があります。このブラックバスは生態系被害防止外来種リストに掲載されるとともに外来生物法で特定外来生物として指定され、以下の項目について規制されています。

  • 飼育、栽培、保管及び運搬すること
  • 輸入すること
  • 外へ放つ、植える及びまくこと
  • 許可ないものに譲渡、販売、引渡しなどをすること
  • 特定外来生物ごとにあらかじめ定められた「特定飼養等施設」内のみで飼養すること

ということは生態系被害防止外来種リストに指定されているものが外来生物法で規制されているのだろう、と考えてしまうところですが、実際はそうではありません。オオクチバスは外来生物法で規制されていますが、トウネズミモチは外来生物法では規制されていません。

生態系被害防止外来種リストと外来生物法の違いやらについて

生態系被害防止外来種リストというのは環境省および農林水産省が作成し、公表しているだけのものであって、これ自体には規制する効力はありません。効力がない、というのは言い過ぎかも知れません。効力があるとすれば、リストに載っている生物は日本国内の在来種に被害をもたらすということを知らしめることにのみあり、「それをどうするかはあなた次第」みたいなものです。

特定外来生物法というのは、国民を代表する議員が審議する国会を通って制定された法律であり、社会秩序を維持するために強制される規範のことです。なので、これに違反した場合は罰則がありますし、強制力があります。

そしてトウネズミモチは、生態系被害防止外来種リストに載っているだけなので、当農園で巨大に育てたり、苗木を繁殖して販売したとしても、罰則がないということのようです。

よく知られている植物で生態系被害防止外来種リストに掲載されているもの

特定外来生物法で規制されている植物について調べてみたのですが、どれも知らないものばかりだったので、生態系被害防止外来種リストに掲載されている植物のなかで、重点対策外来種に指定されているものをいくつか紹介したいと思います。

ナガミヒナゲシはこのリストには載っていないのですね、意外です。

ツルニチニチソウ

園芸店、ホームセンターなどでよく見かけます。

モリシマアカシア(ブラックワトル)

これはよく知らないですが、アカシアはうちにもあります。注意が必要です。

フサフジウツギ(ブッドレアなど)

画像の右奥に紫の花を咲かせているのがブッドレアです。

地面に触れている枝から発根して株が増えるなど、繁殖力はかなり強いです。うーん、切った方が良いのかなあ。

ヒメイワダレソウ

ヒメイワダレソウはリッピアとも呼ばれ、地表を這いながら早く広く成長するのでグランドカバーによく利用されています。これをもとに品種改良されたのが「クラピア」という名前で呼ばれていますが、うちにはそのクラピアを広範囲のグランドカバーとして利用しています。クラピアも繁殖力は物凄いです

この2種の大きな違いは何かというと、

  • 種子で増えるか増えないか

にあります。クラピアは種子で増えることがないので、成長する範囲を制限しやすいです。

トウネズミモチの危険性

先に特徴としてあげたものと重なりますが、トウネズミモチの危険性は以下の点があげられます。

  • 耐暑性耐寒性に強く、成長が早い
  • 排気ガスなどの大気汚染にも強い
  • 耐陰性も強い
  • 病害虫にも強い
  • なので高度成長期あたりに都市部の公園や街路樹等で多く植樹された
  • 実を野鳥が好んで食べるため、種子が散らばり至る所(うちとか)で生える
  • なので他の植物が自生しているところを侵略していく

このように増えることでリストに登録されたようです

ただのネズミモチとの違い

トウネズミモチとよく似た木に「ネズミモチ」があります。この二つ、非常によく似た木ですが、しっかり見れば、区別することができます。最も違いがわかりやすいのは「葉の裏側」です。トウネズミモチの葉の表側を太陽に向け裏側を透かし見ると、葉脈の主脈と側脈がしっかりと見えることです。一方でネズミモチの葉は、日に透かしても葉脈ははっきりとは見えません。

トウネズミモチの葉の表
トウネズミモチの葉の裏

トウネズミモチの成長の記録

2021年の2月

右奥のブッドレアと対照的です

真冬なのに、寒さによるダメージを受けている様子が一切ない。それどころか真冬でも成長しているような気さえします。

この木、いずれ切らなくてはと思うのですが、もう少し様子を見ていこうと思います。

2021年3月29日

トウネズミモチですが伐採しました。その理由は

  • 根張りがすごい
  • 成長速度がすごい
  • 病気っぽいのに生育速度が早い

などが挙げられますが、一言で言って仕舞えば

手に負えなくなることが容易に予想できる

ということに尽きると思います。ということで根こそぎ、といきたいところですが、とりあえず根を切って株は取り除いた感じになりました。

新しく購入した剪定用のノコギリがあったので怖くないとばかりに臨んだわけですが、やはり道具は大事ですね。切り味の良い鋸のおかげで「切る」ということがかなり楽にできました。しかし「楽」とは言ってもかなり真剣に格闘していたので、経過の画像がほぼありません。そして思い立ってすぐに始めてしまったので、切り始める前の画像もありません。それでも参考になるかもしれませんので、画像を残しておきます。

切った直後
除草剤を注入
切った株の塊

切った株の大きさが分かりにくりですが、直径はざっくり30cmくらいでしょうか。残った根にはドリルで穴を開けてグリサホート系の除草剤を注入。除草剤、使いたくないんですけど、この生命力だと芽吹いてきそうなので。

ということで場所が一つまた場所が空きましたが、しばらくはこのままで様子をみようと思います。