2021年春。コールラビ、というあまり聴き馴染みのない野菜を種子から育てることにしました。購入したのは2品種の種。(ノリコ/薄緑色)と記載のあるものと、(アスルスター/紫)と記載のあるもの。この「ノリコ」「アスルスター」というのが品種名のようです。
ノリコは個別のポットをリサイクルして利用し、アスルスターのほうはセルトレイと呼ばれるたくさん開いた小さな穴が連結しているものを利用しました。
コールラビについて
- コールラビという名はドイツ語のキャベツ “kohl” とカブ “rabi” を合わせたもの
- 茎の丸く膨らんだ根本の部分を、皮をむいて食べる
- 皮を剥くときは筋っぽさをなくすために厚めにが良い
- 生でも焼いても煮てもOK
- 種まきは3月下旬から5月上旬の春蒔きと、7月中旬から8月下旬の秋まきがある
- 生育には20度くらいが適温らしいが比較的暑さ寒さに強く育てやすい
- 日当たりよく水はけ良い場所がいい(乾燥気味を好む)
- アブラナ科(キャベツ、ブロッコリー、小松菜など)なので、同じ仲間での連作は避ける
- 適性酸度はph6.0〜7.0くらい
とこんな感じですが、実際に野菜を育てた経験が少ないため、とりあえずインターネットや種パッケージのQRコード先の情報をもとに育ててみることにします。
以下、2021年の収穫を終えてわかったことや、考えたことです。
- ポットで発芽させる時は、セルトレイよりポットの方が扱いやすい
- 発芽直後の日当たりが、その後の生育速度に影響するような気がする(紫の生育が遅かったのはこのせいではないか)
- 実が大きくなるまで時間がかかっても、そのせいで筋っぽくなることはなかった(ので、大きくなるまで待つのは有効)
- 逆に、大きくなったら早めに収穫しないと硬くなってしまう
- うちは根元に雑草が生えていて日陰ができるせいもあって、畑に植え付けた直後くらいしか水やりしてない
- 味にクセが少ないので、いろんな料理に生かしやすいと思う(私は野菜炒めくらいしかやってないです)
- 日当たりさえ良ければごく簡単に育てられそう
収穫までの記録
2021年4月20日、種まき(育苗:いくびょう)
種まきから野菜を育てるのは2回目。そのときはカブを、直接土に撒いたのですが、かなり芽が出て成功しました。カブや大根など根菜は、根が収穫物だからなのか、あるいは少し深め(1cmくらい)に種を植え付けて発芽するからなのか、直播きすることが基本みたいです。
今回コールラビは育苗(「いくなえ」と読んでましたが「いくびょう」が正解とのこと)ポットと、買ってきた苗の残りポットぞれぞれに品種ごとに分けて種を植え付けました。ポットのサイズが違うだけで、植え付け手順は同じです。
ちなみに育苗用に購入したポットは一つあたりの穴の大きさが3cm径の深さ2cm程度で、穴が50あります。セルトレイとも呼バレるようです。こちらにはノリコ(緑)を。残り物ポットの方はサイズまちまちですが直径7〜8cmくらいで深さ10cmくらいのものが多かったですが、こちらにアスルスター(紫)を。正しくは、セルトレイの方に紫色(アスルスター)を、残りものポットの方には緑(ノリコ)のそれぞれ種を撒きました。
それから育苗に使用する用土ですが、おそらく畑の土でも問題ないんだろうとは思うのですが、それだと雑草も同じタイミングで芽吹いて区別しにくくなるかもしれないので、素直に育苗用の土を購入して使いました。
- ポットに土を詰める
- その土に少し圧をかける
- 土全体に水が行き渡るようにたっぷりと水を与える
- 1ポットに3粒くらいずつ播く
- 全体を満遍なく、しかしごく薄く覆うように土をかける
- 欠けた土がしっかり閉めるように霧吹きで水をかける
- 常に土が湿っているように定期的に霧吹きする
以上のような感じで仕込み、水やりしていますがポイントは5の薄く土をかけることと、6の霧吹きで水やりをすることですかね。
水をジョウロなどで与えると、水の勢いで土が跳ねたり、撒いた種が表面に出てしまったり土中に埋もれたりという可能性が生じるので、土や種を動かさないで済む霧吹きでの水やりが最も良いと思われます。
追記:置き場所が違うので(同じ部屋ではありますが)、日当たり加減は緑(のりこ)の方が良いです。
2021年4月24日、緑(ノリコ)発芽確認
早い、1週間かからず。緑の方だけ発芽確認しました。緑の方が品種的に発芽が早いのか、それともポットの置き場所の違いによるモノなのか。
双方とも同じ部屋に置いていたのですが、ちなみに緑のコールラビの方が、日当たりの影響で暖かくなりやすい位置にあります(そして僅かではあるけど、緑の方は直射日光の当たる時間もある)。その影響なのかなという感じがします。
ちなみに紫の方は次のような感じ、よく見てみると発芽しているような気もしますが、撮影時には何も気づいていませんでした。
2021年4月26日、紫(アスルスター)の発芽を確認、そして土づくり
緑から遅れること2日、紫も発芽確認しました。おそらく前日には発芽していた雰囲気がありますが、気づいたのはこの日になってから。
ちなみに緑の方は次のような感じ。
土づくり
酸度を測る
まず、土の酸度を測ります、詳しくは別の記事にまとめますので、ここでは簡単に。使用したのはこちらで、コメリで購入しました。
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酸度を測りたい場所の土をとってしっかり乾燥させて、水と混ぜ合わせて沈殿させて、上水の部分に試験紙をさっとつけて変色したその色を、同封されている用紙の色と照らし合わせて酸度をみる、そういうモノです。
ちなみに測ってみたところ、酸度は5.0くらい。コールラビの適正酸度がph6.0〜7.0くらいなのでしっかりと中和させないといけない状態です。
ちなみ昨年きゅうりを植えたときに、全く生育しなかったのは酸性度が強かったためかもしれません。この辺のことも併せて調べて、後でリンクを貼っておきます。
苦土石灰を選ぶ
ということで、土づくりは石灰を混ぜ込むことが重要です。このとき、混ぜ込む石灰の分量には目安があります。詳しくは、こちらもまた詳しい解説を後日用意してリンク貼りますここではとりあえず、使う石灰の種類は「苦土石灰」であること、時間に余裕があれば「粒」タイプがおすすめです。
粉タイプは水に溶けやすく浸透させやすいですが、撒く時に空気中に飛散してしまうことや、しっかり混ぜ込まないと偏りが起きてしまうこともあるようで、その点粒状のものだとゆっくり溶けていくので偏りにくいことと、粒状のため撒きやすいことがメリットになります。
また石灰には「苦土石灰」以外に「消石灰」や「牡蠣殻石灰」などがありますが、これは簡単にいってしまうと土壌に作用する強度の違いを表していて、苦土石灰はバランスが良いのでこちらを選んでおくと間違いが少ないです。
そして土に混ぜ込む分量ですが、1平米あたり100gでphが0.5上がる(アルカリ性の方へ近づく)とのこと。うちの畑はph1.0程上げたいので、1平米あたり200gほど撒けば良いということになります。
が、今回はその辺ざっくりとした感じでやりました。うちに残っていた20kg苦土石灰、大体1/3くらい使った感じだったので、残りは6.5kgとして、今回仕込みをやる部分の広さは約9m×1.5m=13.5平米とすると必要な分量は200×13.5=2700g=2.7kgということで、うちにある分のおよそ半分弱くらいつかいえばちょうど良い感じでしょうか。という感じで、ざっくりとした分量を撒いて、混ぜ込みました。
後にホームセンターで苦土石灰を売られているのをみたところ、うちにあったのは20kgの袋でした!!とすると、残っていた苦土石灰は13kgくらいで、使ったのはその半分の6.5kgくらい。だとするとですね、必要の分量の倍くらい使ってしまったので、調整されるphはプラス2.0くらいなので、ph7.0くらいのアルカリ性よりの中性といったところでしょうか。植え付け直前に再度ph検査したいと思います。
肥料について
今回植える畑、おそらく長年化成肥料ばかりで土づくりをしてきたせいだと思うのですが、スッカスカのカサカサした感じが強烈にあります。実際の土の状態がどうなのかはわかりませんが、自分の思う育ちやすそうな土をたくさん混ぜ込むことにしました。また、1週間後くらいには牛糞堆肥をすき込む予定です。
その混ぜ込んだのは、畑の端に積まれている枯れ草や剪定した枝木。おそらく堆肥化しているんじゃないかなと思うんですよね。すっかり枯れ色になっている部分だけを選んで、せっせと植え付け場所へ運んで混ぜ込みました。しかしこれが重労働。畑を耕すトラクターはあるのですが、運転したことないし、使わせくれるように頼むと余計な口出しされるかもしれないので、人力スコップで混ぜ込みました。
2021年5月5日の苗の様子と、土耕す
だいぶ伸びてきましたが、緑と紫では育ちに差が出てます。そろそろ間引きしないとです。
土に牛糞堆肥を加えて耕しました。ミミズもいていい感じ、なのではないかなあ。分量がわからないので、40リットル入りのものの2/3ほど全体に撒いて、スコップでひたすら掻き回しました。
「牛糞」と聞くと、なんだか粘り気があって匂いもキツそうなイメージがあるかもしれませんが、完全に発酵したものであれば(これを完熟といいます)匂いはないですし、今回私が購入したものはさらさらしたものでしたので、撒くにも混ぜるにもすごく扱いやすかったです。
2021年5月9日、紫(アスルスター)が壊滅状態に
水やりが、原因だと思います。それまで霧吹きを使ったりして丁寧に水やりしていたのを、めんどくさがって、ホースのシャワーでやったのがいけなかったんじゃないかと思います。
水が、水圧が、傷めてしまったんではなかろうか。
ちなみに紫(アスルスター)だけで、緑(ノリコ)の方は成長速かったためにある程度しっかりした太さがあってか、同じような水やりしても大丈夫でした。
アルスター(紫)が傷んだ原因について考えたこと
アルスターが傷んだ原因に、成長が遅いというのももちろんあるのでしょうが、もっと直接的な原因として、
- ひょろっと伸びた茎がセルトレイの連結部分に這うように伸びている
- その部分に水がかかることによって、水とセルトレイの間の圧力で茎が潰れてしまった
ということが考えられ、これがこのような惨状になった原因なのではないかと思っています。
でも不思議なことに、枯れる様子がないんですよね。大丈夫なのかな。間引きしつつも様子見ながら育ててみようと思います。
2021年5月14日、ノリコ(緑)一部植え付け
地植えにする目安として、タネのパッケージに
「本葉が5、6枚くらいになったら植え付けできます」
との記載があったので、成長の早いノリコの株の中でも、特に大きくなっているものを一足先に植え付けることにしました。
全部で6ポットくらい。ただ、まだ間引きしていないので1ポットの中に何株か同居していたので、それを上手く生かしながら植えることにしました。
この根っこの様子を見ると、セルトレイでの育苗は根を伸ばすスペースがないのであまり良くないかなあと思いましが、どうなのでしょうか。
30cm間隔くらいで植え付けて、うちの定番の枯れ草でマルチング。しかし株を間引かずという欲張った植え方をしたせいか、根っこは当然切れたでしょうし、茎も所々折れてしまいました。この辺は植物の生命力に期待したいと思います。
追記:この1週間後くらいに全ての緑(ノリコ)を植え付けました
2021年6月5日、紫(アスルスター)植え付け
植え付け前の様子はこんな感じです。
一向に大きくならない紫も植え付けることにしました。で、いろいろわかったことがありました。
この紫、どうやら水切れ気味だったようです。植え付けようとセルトレイから苗を出そうとしたところ崩れ落ちる土。はじめは、植え付け前にポットをしっかり灌水すればきれいに取り外せたかもしれない、なんて思っていました。
が、この状態から、おそらく水やりが足りなくてこのような乾燥状態がずっと続いていたのではないかと推測しました。セルトレイのような土の量が少ない状態で育てる場合は、保水力が小さいので、毎日、しかも朝晩の2回くらいはしっかりと灌水してやらないといけないのではないか、と。
忙しくて毎日手を掛ける時間が取れない場合のであれば、もう少し保水性の高い育て方、ポットで育てる方が良いのではないかと思いました。
なので次回育てるときは、緑を育てたように、ひと繋がりのセルトレイではなく、個別に分かれているポットで育てようと思います。
植え付けは、だいぶ前から用意してあった畝に、水やりして周辺に生えていた雑草でマルチング しましたが、ちょっと雑草が足りなくてマルチング 不足です。これだと土が乾燥してしまうので、早めにマルチングの草を追加しないとです。
2021年6月16日、収穫できました
早めに地植えしたノリコのコールラビが収穫できました。少し小さめでしたが、取ってしましました。
で、コールラビの実のでき方っていうのが、思っていたのと少し違いました。
地際のところが丸くカブのように肥大してそこから葉が生えるイメージだったのですが、地際から少し茎が伸びてから、肥大部分が現れる、という感じ。上の画像だと少し分かりにくいかもしれませんね。
今回は土を掘り返すと周囲の苗を傷つけそうだったのでやりませんでしたが、次収穫するときは、コールラビの形状について分かりやすいように根っこから丸ごと掘り採ってみようと思います。
2021年7月10日
同時に種まきしたので、大きくなる時期もほとんど同じ時期でしたが、遅めの収穫のコールラビ。
で、収穫が遅れたコールラビはかなり筋っぽくなってしまい、硬くおいしくありません。なかなか大きくならないから、といって収穫の先延ばしにすると、小さいのに筋が硬くて食べられないようなものになってしまうようです。(注:ですが後に、収穫が遅くなったものが必ずしも硬くなっているわけでもないことに気づきました。土中の栄養のバランスなのかな…)
緑色のノリコと言われるコールラビはほぼ収穫まで終わりました。
4月20日に種まきして、3ヶ月くらい。種まき時期を何度かに分けてずらせばもっと長い期間収穫できたのでしょう。来年以降の課題です。
一方、同じ日に種まきした紫/アスルスターは、収穫までもう少しかかりそうです。下の紫は7月14日の様子です。
2021年7月28日、紫も収穫を迎える
ようやく、アスルスター/紫のコールラビも収穫を迎えました。
育苗の時には茎が折れたり、と心配でしたが、どうにか収穫までありつけました。
生育具合の違いでしかないのかもしれませんが、当農園で育てたコールラビは、紫の方が柔らかったです。ネット上の情報を探すと、紫と緑と違いは色ぐらいなもんだ、という記述をよく目にしましたが、来年は同じ生育環境下で違いが生じるのか調べたいです。
ということで、今シーズンコールラビを育てて解ったことを コールラビについて で記載しておきますので良ければこちらをチェックしてみてください。