前回紅葉の仕組みについて調べ、記事にしました。その記事を書くきっかけになった、うちの庭の紅葉しないモミジ(葉が小さいのでおそらくイロハモミジ)。しかし、紅葉の仕組みを調べるうちに、もう少し我慢すれば、12月に入った頃にでも紅葉したかもしれない、そんなふうに思いはじめました。「紅葉したかもしれない」という過去形なのは、まだ青い葉が残っている状態のそのもみじを、違う場所に移植してしまったからです。移植後、根にダメージを与えてしまったので、ほとんどの葉は取り除いてしまいました。
そんな状況ではありますが、今回は、うちのモミジの植え場所の環境と、紅葉が起きる条件について考察してみたいと思います。また今後このページで、移植したモミジの様子を定期的に記録していきたいと思います。
移植するまでのイロハモミジについて
植えていた場所
うちのモミジは2018年の春にホームセンターで購入した苗木でした。落葉して葉が一枚もついていない、細い幹と枝の40cm程度の高さの苗木だったことを覚えています。どんな条件の場所に植えたかというと
- ほぼ一日中日が当たる場所
- 土色は赤く、乾燥した感じの場所
- 建屋の近く
主にはこの三点にまとめられます
移植前までの成長について
みたところ特に問題なく育っていたように思います。樹高も今では160cmになっています。およそ2年で100cmちょっと伸びたことになります。
ただし、紅葉は全くしませんでした。そして2020年の秋も紅葉する気配が全くありませんでした。多少は黄色くなる葉もあったのですが、枝先の方から葉が枯れて散り始めたので、移植してしまいました。
紅葉しない原因として考えたこと
日当たりが良すぎる
綺麗に紅葉しているもみじを見るとわかるのですが、たいていのモミジは、程々に日光が遮られるような環境にいます。山であればその傾斜によって日が遮られますし、一般住宅の玄関先で綺麗に紅葉しているもみじも日が当たっている時間がさほど長くないような環境にあったりします。もちろんその限りではないのかもしれませんが、太陽にさらされる時間が長いと、人間と同じように植物も過剰に日焼けしてしまいます。
日焼けをするということは水分を失っていくということでもあると思います。人間が過剰に日焼けすると皮が剥けてくるのと同じように、植物が過剰に日焼けすると、皮が剥けるように葉が落ちてしまうのでしょう。
寒暖差が小さい
やまね農園がある地域は、平地ではありますが、比較的寒暖差の強い土地だと思います。しかしながら、移植前にもみじを植えてあった場所は、建屋の近くであったので、夕方から夜、そして翌朝にかけての寒暖差が小さくなることは想像に難くありません。
移植後のもみじについて
移植は11/15頃に実行しました。できるだけ広く、半径50cmの円形に掘り起こしていき、最後に勢いよく抜いたのですが、この時直下の根っこが切れずに残っていたみたいで、根の枝分かれしている根元が少し避けてしまいました。悪く影響はするでしょうが、なんとか持ち堪えて欲しいです。
植えた場所
こんな場所です。奥の方角が南東です。
日当たり
まず建屋からは離れた、南東にある塀の内側に植えました。塀の高さは150cm程度で、秋・冬の日が高く登らない季節には、午前中は直接日光があたらない時間が長いです。午後以降は日差しがしっかりと届き、西日も当たりますが、日が低いので早い時間から西日は遮られます。
しかし夏は早い時間から日が当たり、西日もあまりあまり遮られずに当たってしまう場所です。本当は夏の午後4時頃には日が当たらなくなるような場所に植えたかったのですが、良い場所がなくて。
土は黒土
土は結構な黒色が強い土。肥沃かどうかはわかりませんが、以前植わっていた場所よりは良さそうな気がします。水はけに関しては、少し傾斜があって水が逃げていくような感じになっているので、問題ないでしょう。
寒暖差
建屋から離れているので、寒暖差は強い場所だと思います。ただ、壁際なので空気の抜けは悪いかもしれません。とは言っても一面が壁なだけなので、そんなに気にする必要もないとは思っています。
モミジの成長記録(移植後から)
2020年の11月の移植直後
移植後、残っていた葉はあらかたとってしまいました。選定と言うよりは手でしごいてちぎったような感じで取り除きました。一本だけ太めの枝を切りましたが、とりあえず剪定は控えておこうと思います。
2021年2月、更なる移植
同じモミジを再び移植しました。理由としては、いずれ壁を無くしたい(予定があるわけではないけど)からです。とはいえ、他に良い植え付け場所もないので、1mほど壁から離れた場所に移動しました。負担はかなりかかるでしょうが、春には芽吹いてくれることを祈っています。
2021年3月30日、春の芽吹きと枯れ
さて、ワンシーズンに二回も移植した当地のモミジですが、春の芽吹きとともにその移植によるダメージが明確にわかるようになりました。
緑色の幹や枝からは新芽が出ているのですが、茶色く変色してしまった部分からは生命感を全く感じません。ということで剪定しました。モミジは剪定すると樹形が暴れてしまうという話を聞いたことがありますが、枯れているのだからしょうがない。というわけでこんな姿になりました。
大きめの切り口にはトップ ジンを塗りました。味のある形になってくれれば良いかなあ。
2021年6月16日
形は別として、なかなか良い色です。
2021年8月31日、斑入りの葉
なぜか斑入りの葉があることに気づきました。夏の日差しで葉焼けしたのかなあと思ったのですが、調べてみても葉焼けで紅葉したり枯れたりというのは目にするのですが、白く色が抜けるという情報は出てきません。
ホームセンターで購入した苗だったのですが、接木された苗で台木からの影響を受けてるとかそんなとこなのでしょうか。前回撮影の時は、淡い色をした葉があるな、程度にしか思わなかったので、斑入りの葉があるかどうかしっかり確認はしていないので、いつから斑入りの葉が出てきたのかわからないのですが。
いずれにせよ、また違った表情を見ることができて嬉しいです。
2021年11月10日
葉が黄色くなり始めました。ですが赤く変色する様子は全くありません。
2021年12月1日、今年も赤くならないまま散るが、原因に当てがつく
なんかちょっと惜しいような気もしましが、今年も赤くなることなく、ただ枯れ色になって落葉してしまいました。
原因を探っているのですが、もしかすると「水不足」かもしれません。モミジ に多い症状らしいのですが、11月の画像の、葉先が茶色く枯れているのなんかは、まさに水不足による症状らしいのです。
地植えしているので水不足なんてことは全く考えていませんでしたが、移植で根も痛めつけてしまいましたし、まだまだ若い木なので根張りが小さく、当地していると吸収できる水が足りないのかもしれません。
そう考えると、初めに植え付けた場所でも同じように紅葉しないまま枯れてしまうことも辻褄が合います。どんな場所だったかというと
- 腐食質が少なく、水持ちが悪そう
- 石に囲われ少し高くなっているので、水はけは良い
- 石に囲われ、かつ他にいろんな植物がいるので根を張りにくい
- 少し深く掘ると粘土質の硬い層がでてくる
とまあこんな条件だったので。もし水不足だったとすると、この場所は土がふかふかというわけではないけれど、初めに植えた場所よりずっと条件は良いはずですし、移植後の初年度の今年に根を伸ばしたと考えれば翌年以降は紅葉に期待できるのでは、と思っています。
カツラも同じような症状が出ているのでよかったら見てください。